まず結論

TCP/IPとは、インターネット上の通信で使われるプロトコル(通信規約)の集まりのことです。「4層のレイヤー構造」で役割を分担しており、TCPが信頼性のあるデータ転送を、IPがアドレス指定と経路選択を担います。試験では「どの層がどの役割を持つか」「TCPとUDPの違い」が頻出です。

🗂️ TCP/IP 4層モデル

TCP/IPは4つの層(レイヤー)に分かれており、上から順に通信処理が行われます。

第4層 アプリケーション層
HTTP・SMTP・DNS・FTP・SSH
ユーザーが使うサービス・アプリの通信を定義
▼ データをセグメントに分割してカプセル化
第3層 トランスポート層
TCP(信頼性・順序保証)・UDP(高速・低信頼)
端末間のデータ転送の信頼性を管理
▼ パケットにIPアドレスを付与
第2層 インターネット層
IP・ICMP・ARP
IPアドレスによるアドレッシングと経路選択(ルーティング)
▼ フレームとして物理的に送受信
第1層 ネットワークインターフェース層
Ethernet・Wi-Fi(IEEE 802.11)・PPP
物理的な媒体(ケーブル・無線)でのデータ送受信
覚え方: 「アプリ→トランスポート→インターネット→NI層」の順。上位層ほどユーザーに近く、下位層ほど物理的な通信に近いです。

⚖️ TCPとUDPの違い

トランスポート層には2種類のプロトコルがあり、用途によって使い分けます。

TCP(Transmission Control Protocol)

信頼性重視
・3ウェイハンドシェイクで接続確立
・ACK(確認応答)で受信を確認
・パケット損失時は再送する
・順序を保証する

用途: Webブラウジング(HTTP)、メール(SMTP)、ファイル転送(FTP)

UDP(User Datagram Protocol)

速度重視
・接続確立なし(コネクションレス)
・確認応答・再送なし
・順序は保証しない
・オーバーヘッドが小さい

用途: 動画配信・ストリーミング、VoIP(音声通話)、DNS、オンラインゲーム

試験ポイント: TCPは「信頼性あり・遅い」、UDPは「信頼性なし・速い」と覚えよう。「再送制御」「順序制御」があるのはTCPだけです。

🤝 TCPスリーウェイハンドシェイク

TCPで通信を始める前に、必ず3回のやり取りで接続を確立します。

クライアント
例: ブラウザ
① SYN
「接続したいです」
② SYN-ACK
「了解、こちらも接続OK」
③ ACK
「確認しました」→ 通信開始!
サーバー
例: Webサーバー
SYN / ACK の意味: SYN = synchronize(同期)、ACK = acknowledgement(確認応答)。この3ステップを経て初めてデータの送受信ができます。

🔄 OSI参照モデル7層との対応

OSI参照モデルは7層で定義されていますが、TCP/IPは4層にまとめた実用的なモデルです。

OSI参照モデル(7層)
TCP/IP(4層)
第7層 アプリケーション
アプリケーション層
HTTP, SMTP, DNS
第6層 プレゼンテーション
第5層 セッション
第4層 トランスポート
トランスポート層
TCP, UDP
第3層 ネットワーク
インターネット層
IP, ICMP
第2層 データリンク
NI層
Ethernet, Wi-Fi
第1層 物理
OSI 7層の覚え方(上から): 「アプリ・プレゼン・セッション・トランスポート・ネットワーク・データリンク・物理」。試験ではどの層が「何を担当するか」をよく問われます。

🎯 試験での出方

⚠️ よくある間違い

✍️ 確認クイズ

Q1. TCPとUDPを比較したとき、正しい説明はどれか?
正解は。TCPはスリーウェイハンドシェイク(SYN→SYN-ACK→ACK)でコネクションを確立します。UDPは再送制御なし・コネクションレス型で、速度優先の用途(動画配信など)に使われます。
Q2. TCP/IPの4層モデルで、IPアドレスによる経路選択(ルーティング)を担当する層はどれか?
正解は。インターネット層(OSIではネットワーク層に対応)はIPアドレスを使ったアドレッシングと経路選択(ルーティング)を担当します。主なプロトコルはIP・ICMP・ARPです。
Q3. TCPのスリーウェイハンドシェイクの手順として正しいものはどれか?
正解は。①クライアントがSYNを送信 → ②サーバーがSYN-ACKで応答 → ③クライアントがACKを送信、の順で接続が確立されます。この3ステップを「スリーウェイハンドシェイク」と呼びます。
Q4. TCPとUDPのどちらを使うべきか、の判断として正しいものはどれか?
正解は。TCP:信頼性優先(再送制御あり)→ファイル転送(FTP)・Web(HTTP/S)・メール(SMTP)。UDP:速度優先(再送なし)→動画配信・VoIP・オンラインゲーム・DNS。「多少データが抜けても速さが重要」な用途はUDP、「正確に届けることが重要」な用途はTCPです。
Q5. OSI参照モデルの第3層(ネットワーク層)とTCP/IPの4層モデルの「インターネット層」が担当するプロトコルはどれか?
正解は。インターネット層(ネットワーク層)のプロトコル:IP(IPアドレスによる経路選択)、ICMP(ping等のエラー通知)、ARP(IPアドレス→MACアドレス変換)。TCP/UDPはトランスポート層、HTTP等はアプリケーション層、Ethernetはネットワークインターフェース層です。

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