IT投資評価
まず結論
IT投資の評価ではROI(投資収益率)・TCO(総保有コスト)・回収期間法・NPV(正味現在価値)が頻出です。「どの投資が有利か」を定量的に判断する手法を理解しましょう。
投資評価の流れ
システム投資300万円・年間効果80万円の場合
回収期間法
3.75年
300万 ÷ 80万/年
短いほど有利
ROI
26.7%
80÷300×100%
高いほど有利
NPV
+ なら ✅
将来CF現在価値 - 投資額
0超なら投資価値あり
主要な投資評価指標
ROI(投資収益率)
ROI = 利益 ÷ 投資額 × 100%
例:200万投資して年間80万の効果
ROI = 80 ÷ 200 × 100 = 40%
TCO(総保有コスト)
システムのライフサイクル全体のコスト。
初期費用 + 運用費 + 保守費 + 廃棄費
「安く買って高い保守費」に注意。
回収期間法(ペイバック法)
投資額を年間効果で割って回収期間を算出。
例:200万 ÷ 80万/年 = 2.5年で回収
短いほど有利な投資。
NPV(正味現在価値)
将来のキャッシュフローを現在価値に割引いて合計。
NPV > 0 なら投資価値あり。
割引率(資本コスト)を考慮。
ITガバナンス・コンプライアンス
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| ITガバナンス | IT投資・リスク・リソースを経営レベルで管理・監督する仕組み。「IT戦略が経営戦略と整合しているか」を監視。 |
| COBIT | ITガバナンスのフレームワーク(Control Objectives for IT)。国際的に広く使われる。 |
| IT投資ポートフォリオ | 戦略的・情報的・トランザクション処理・インフラの4カテゴリでIT投資を分類・管理。 |
| 情報システム戦略 | 企業の経営戦略を実現するためのITシステムの方向性。ITMASTER(ITグランドプラン)とも。 |
ベンダー選定・調達
RFI(情報提供依頼書)
ベンダーに技術・製品情報の提供を依頼する文書。発注前の情報収集段階で使用。
RFP(提案依頼書)
要件を明示してベンダーに提案を依頼する文書。複数ベンダーに送り比較選定。
🎯 試験での出方
- 回収期間の計算(投資額 ÷ 年間効果)
- 「TCOに含まれるコスト」→ 初期費用だけでなく運用・保守・廃棄費まで
- 「RFPとRFIの違い」→ RFI=情報収集、RFP=提案依頼
- 「NPVが正のとき」→ 投資価値がある(マイナスなら投資すべきでない)
⚠️ よくある間違い
- 「TCOは初期購入費用のみ」→ ✗ TCO(Total Cost of Ownership)は購入・運用・保守・廃棄を含む総コスト
- 「回収期間が長いほど良い」→ ✗ 回収期間は短いほど投資リスクが低く有利
✍️ 確認クイズ
Q1. システム投資300万円で年間120万円の効果が得られる場合、回収期間はどれか。
✅ 正解は②。回収期間 = 投資額 ÷ 年間効果 = 300万 ÷ 120万 = 2.5年。2.5年で投資額を回収できます。
Q2. TCO(総保有コスト)の説明として正しいものはどれか。
✅ 正解は②。TCO(Total Cost of Ownership)は初期費用(購入・設置・教育)と運用費(電力・人件費)と保守費と廃棄費を含む総コスト。「安い製品でも保守費が高いとTCOが大きい」点に注意。
Q3. RFP(提案依頼書)の説明として正しいものはどれか。
✅ 正解は②。RFP(Request for Proposal/提案依頼書)は要件を提示してベンダーに提案を求める文書。情報収集のみならRFI(Request for Information)を使います。RFPを複数社に送って比較選定します。
Q4. NPV(正味現在価値)がプラスの場合、その投資をどう判断するか。
✅ 正解は②。NPV(Net Present Value/正味現在価値)は将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いた合計から投資額を引いた値。NPV > 0 なら投資によって価値が生まれる(投資価値あり)。NPV < 0 なら投資額が将来収益を上回るため投資すべきでない。
Q5. ROI(投資収益率)が20%とはどういう意味か。
✅ 正解は③。ROI(Return on Investment)= 利益 ÷ 投資額 × 100%。ROI=20%は投資額100万円に対して20万円の利益が得られることを意味します。ROIが高いほど投資効率が良い。回収期間は「投資額÷年間効果」で別途計算します。
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